I先輩
 


「理由はどうであれ梨乃ちゃんが入部してくれたおかげで、今こうやって部活できてるんだもん…ありがとうね」



きっと梨乃ちゃんがいなかったら、今ごろ廃部になってたよ。

それに…

あの時声かけてくれて嬉しかったから。



「な…ばかじゃないのっ!?
だいたいあんたらが今部活出来てんのはあたしのおかげじゃなくてな…」

「?」

「…なんでもない。」



梨乃ちゃんは何かを言いかけてやめた。



「ねぇ、仲直りしよ!」

「はぁ?」



わたしが言うと、梨乃ちゃんは明らかに嫌そうな顔をした。

それでもおかまいなしに右手を前に出す



「はい、仲直りの握手っ」

「いい子ぶんないでよ……あんたみたいの大っ嫌い。」

「いいよ、それでも」

「…バカじゃないの?」

「うん、バカだよ」



梨乃ちゃんはわたしを見て困った顔をして笑うと、わたしの手を握った。



「ほんと…バカみたい」


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