I先輩
 


「よーし、仲直りしたかっ!」



どこかから聞き覚えのある声



「カズ先輩っ…!」



それに、千彰先輩と槇先輩も

三人で屋上のドアの前に立っていた。

ほんと…いつの間に



「早く戻んぞ部室」

「改めて歓迎会でもしますか」

「いーですねそれっ!」



おかしいっぱい食べれるしっ



「あの…」



みんなが部室に戻ろうとしている中、梨乃ちゃんだけは足を止めた。



「あたし、先輩たちにいっぱい嘘ついて…」

「は?なにそれ」



千彰先輩が梨乃ちゃんに近づいて行って言った。



「そんなん俺、ばかだからもー忘れたし」

「え……」

「ねー!早く行こっ!主役いなきゃ歓迎会できないじゃんっ」



わたしは精一杯笑った。

梨乃ちゃんが小さく"ありがとう"って言った気がした。


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