I先輩
次の日、梨乃ちゃんのクラスを覗きに行くと
梨乃ちゃんの机の周りにはたくさんの人が集まっていた。
「梨乃ね、お母さんが病気で…」
「えー大変だね」
「大丈夫なの?」
遠くから話を聞くと、どうやら梨乃ちゃんのお母さんは病気らしい
そんなことわたしには一言も言ってくれなかったのに…大丈夫かな、梨乃ちゃん
「でもね、最近少しずつだけどよくなってきてるんだぁ」
「えーよかったじゃん」
「早く治るといいね」
「うんっ
でね、噂によると準優勝の賞品がペアの温泉旅行らしくて…
どうしてもお母さんを温泉に連れていってあげたいの…優勝なんかしなくていいから、お母さんを…喜ばせてあげたいの…」
梨乃ちゃんの目には涙が溜っていた。
梨乃ちゃん…
やっぱりいい子だな…
「だからお願い、みんな部員の人達に梨乃にチョコくれるように頼んでくれない?」