I先輩
 


しゃべっている途中で梨乃ちゃんに遮られた。



「あれ…嘘だし」

「え」

「賞品も…何か知らないし」



全部嘘…?

なんでそんな嘘…



「勝つためだし、あんたも頑張んなよね」



なにそれ…



―ガタン



わたしは椅子から立ち上がった。



「あ、怒った?」

「よ…」

「よ?」



わたしは梨乃ちゃんの手を握った。



「よかったー!お母さん病気じゃなくて!!」

「………あんたってさ、」

「?」

「どっか抜けてるよね。」

「…え?どういうこと!?」



わたしがポカンと口を開けていると梨乃ちゃんがクスッと笑った。



「バカってことじゃん?」

「ばっ…!?」

「あ、先輩こんにちはー!」



梨乃ちゃん…声のトーンが変わった

あれから梨乃ちゃんはわたしには素を見せてくれるようになったけど

先輩たちの前ではまだちょっと慣れてないみたい。


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