I先輩
「…てかー、いつまでいんの?」
先輩が女の人たちを見ながら言った。
「俺今からプレゼント渡すんだけどさー、空気読んでよ」
「………っ!!」
「もー行こ、さえ」
女の人たちはわたしを睨みながら教室を出ていった。
なんで…わたしがこんなことに
「あのー…」
「はい!」
先輩が笑顔でわたしにプレゼントを渡した。
「えっ」
もらっても、いいのかな。
「あ、ありがとうございますっ」
これで…わたしも1個…
自分の手の中にあるプレゼントを見て、自然と口元がゆるんだ。
梨乃ちゃんには、全然かなわないけど
「ねー、千彰ってモテる?」
唐突に先輩が聞いてきた。
「千彰先輩と、仲良いんですか?」
「まさか」
…って、ことは仲良くないってこと?
「じゃー千彰に言っといて、かわいい後輩もったなって」
「かっ…!?」
言われ慣れない言葉にわたしが顔を赤くしていると、先輩はにっこりと笑顔を残して帰ってしまった。