I先輩
「色が黒くて…たぶん、サッカー部だと思うんですけど」
「…ふーん、なんか言ってた?」
「えっと…千彰先輩に…かわいい後輩をもったなって伝えてと…」
なんか自分で言うと余計恥ずかしい
だってかわいいなんて滅多に言われないし
「……琴璃、もうたかに近づくなよ」
「え?なんでですか?」
「あいつ手早いから襲われんぞ」
「おそっ…!!?」
「ま、お前がそれでもいーならいんだけど」
わたしは横にブンブンと首を振った。
「で、でもっわたしなんか襲う人なんかいませんよー!!!」
わたしがそう言えば、正面に座っていた先輩が顔を上げた。
「わかんねーよ?」
そう言って先輩はわたしの腕を掴んだ。
「せっ…んぱい!?」
段々近づいてくる顔
おでこがコツンとくっついた
「あーちあきずるー」
声がした方を向くと、今まで寝てたと思っていたカズ先輩が起きていた。