I先輩
―ガラッ
次の日、部室のドアを開けるとまだ誰も来ていなかった。
わたしは一人イスに座ってみんなを待った。
最近、カズ先輩の言動や行動の一つ一つに胸が締め付けられる思いになる
この気持ちが何なのか、わたしは知ってる
だから、認めちゃいけないんだ…
―コンッ
目の前に置かれた見覚えのあるマグカップ
机をはさんで正面にドカッと座り足を組む、長い足の持ち主は…
「なんか悩み事か」
「千彰先輩」
「最近ぼけーっとしてんぞ」
ほんとだ、千彰先輩が入ってきたのにも気づかなかった…
千彰先輩はまぁ飲めと言って自分のコップを差し出す。
中身はもちろんコーラ
「例えば…好きな男が出来たとか?」
「えっ!!?」
「おま、冗談だってビビリすぎ」
図星なだけに動揺してしまう。
わたしはコーラを一口飲んだ。