I先輩
 


「あのっ…」



二人の間になにがあったかは知らないけど

わたしだって二人に関係がないわけじゃない

口を挟まずにはいられなかった。



「どうして、二人は話し合おうとしないんですか?」



話し合えばそれで、解決するかもしれないのに…



「俺は何度もそうしようと思った。けど、あいつはいっつも逃げんだよ」



悲しそうな顔をしてたか先輩が言う。

なんで、千彰先輩はちゃんと話し合おうとしないんだろう…



「だから、どんな手使ってでも千彰を誘き出してやろうって思った。」



それで、わたしを…

でも、千彰先輩は来なかった。



「怖がらせて、ごめんね」



たか先輩がわたしに向かって笑った。

きっと、先輩は本当は悪い人なんかじゃないんだ。

ただ、千彰先輩と話し合いたくて、仲直りをしたかっただけで…

もしかしたら、二人は仲が良かったのかも

それなのに、なんで?千彰先輩…


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