I先輩
―話したいことがあります
きっと、先輩はわたしのメールを見て来てくれたんだ
「一つ、きーてもいい?」
「はっ!はいっ!?」
声、裏返っちゃった
きっと顔も真っ赤だし
先輩は口元を押さえて小さく笑うと、わたしの目を見た。
「あの…さ。
さっきの本当?」
「はい?」
さっきの…って?
「その…俺のこと、好き?って……」
え……
『それは、わたしがカズ先輩のことが好きだからです…!!』
あれ、聞かれてたんだっ!!
「あっ、あれはっ…!」
全身の毛穴から汗が出ている気がした。
「あ、もしかして先輩としての"好き"とか?なんだ俺自惚れ…「違いますっ!!!」
違うよ、先輩
わたしは自分の右手をギュッと握って下を向いた。
「自惚れて、ください」
がんばれ、がんばれわたし…
「わたしは、先輩がっ…」