I先輩

"スキ"の反対

 


「も1回、してもいー?」



先輩がわたしに聞いてきた。

どうやら先輩は、予想通りのキス魔らしい



「いーわけねーだろバーカっ」



カズ先輩の頭を千彰先輩が靴のまま蹴った。



「ったく部室でなにやってんだよ…。
お前も、ポーッとしてんじゃねぇ」

「………あっ、ち…ちあきせんぱいっ!?」



頭がぼーっと熱くて…

千彰先輩が来たのに気がつかなかった。

……て、ゆーか…キスしてるの…見られたっ…!



「あ、あのっ」

「ま、今見た通り今日からことりちゃんは俺の彼女なんでっ、お前手ぇー出すなよ?」



カズ先輩がわたしの肩を自分に引き寄せて言った。

わたし…今日からカズ先輩の彼女なんだ

そう思ったらまた顔が熱くなってきた。



「はぁ?出さねーしこんなんに」

「お前、人の彼女をこんなんって…」



彼女…

彼女…

その言葉を聞くたび、胸が高鳴る。


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