I先輩
―トントントントン…
梨乃ちゃんがものすごい早さで長ネギを切っていく。
「すごー…い…」
でも、なんで長ネギ…?
「料理と涙は女の武器
これ、常識だから。」
梨乃ちゃんが言った。
わたしはすかさずメモをとった
やっぱりすごいな、梨乃ちゃんは
まさに女の子の鏡
梨乃ちゃんは長ネギをお皿によけて、フルーツを切り始めた。
「じゃー、ことりメレンゲ作って」
メレンゲ…?
って、どう作るの?
「わ、わかった!!」
わたしは両手を握ってガッツポーズをすると、フライパンを温めた。
「………………」
梨乃ちゃんは手を止めると、黙ってわたしの行動を見ている
何も言わないってことは…とりあえず…今のところは合ってるってことかな?
「え…と……」
わたしは砂糖を取り出して、温めたフライパンに入れた。
それから…
"メレンゲ"でしょ…?
メレンゲ……
メレンゲ…
メレン…メロン…?
わたしはポンと手をうつと、メロンを手に持った。