I先輩
過去の過ち
「違う!バカっ!!」
梨乃ちゃんの怒鳴り声が家庭科室に響いた。
あの後、わたしは梨乃ちゃんに頼んで料理を教えてもらうことにした。
「だって…」
「だってじゃないしっ!」
うー…鬼……
結局、わたしたちはケーキを作ることにした。
ケーキって、もらったら嬉しいし…!
「だからってバカバカ言わなくても…」
ブツブツと文句を言いながら材料をかき混ぜる
「文句言う暇があったら手動かしな!!」
梨乃ちゃんは…厳しい
「結局、審査員って先生たちでしょ?
ロウソクの代わりにタバコでも指しとけば?」
「えー」
それは、ナシだよ
でも…先生たちが笑顔になるケーキって…全然思いつかない。
それに、本番は明後日…
どうしよう
「あ!そーだっ」
「なに?なんか思いついた?」
「今日、練習用のケーキうまく焼けたらカズ先輩に持ってっていーかな?」
わたしがそう言うと、梨乃ちゃんの口から小さく舌うちが聞こえた。