I先輩
「ノロケとかムカつくんですけど」
梨乃ちゃんが眉間に皺を寄せてわたしを見る
冗談とかじゃなく、本気で
「えへへーっ
梨乃ちゃんは好きな人とかいないのー?」
そういえば梨乃ちゃんの恋バナって聞いたことなかった。
「…あたしの話はいーよ」
こう言うってことは…少なくとも、気になる人はいるってこと!
「えー!聞きたいっ!!」
―ガラッ
その時、家庭科室のドアが開いた。
「槇先輩!」
「二人ともお疲れ様。
差し入れ、持ってきました」
ニッコリ笑って袋を見せる槇先輩
差し入れの袋の中身がうっすらと透けて見える…
あれは…!!
「アイスっ!!?」
わたしは走って槇先輩に駆け寄った
先輩は笑いながら袋からアイスを取り出して机に置いた。
「何味がいいですか?バニラと、イチゴと…「すっ!ごーい!!」