I先輩
わたしたちはいったん作業を止めて、イスに座って先輩が持ってきてくれたアイスを食べることにした。
「それより梨乃ちゃんさっきの話「あのー先輩ってぇー、好きな人とかいないんですかぁ?」
梨乃ちゃん……
なんか、うまく話をかわされた気がする。
でも、槇先輩の恋バナも少し気になるかも…
「あぁ、僕は女の人には興味ないんで」
サラッと槇先輩が言った。
え…それって……
「先輩、それってゲ「梨乃ちゃん!!」
わたしはハッキリ言おうとする梨乃ちゃんを、慌てて止めた。
「あぁ!言い方が悪かったですね
別に男が好きなわけじゃないので、安心してください。」
笑顔で言う先輩に、ホッとした。
本当にそうだったら、リアクションとりずらいよ…
「じゃあどういう意味ですか?」
そういうことをズバッと聞ける梨乃ちゃんを、少し尊敬する。
先輩は眉毛を下げながら困った顔で笑った。
「"生きている女性"に、興味がないんです。」