I先輩
 


わたしたちはいったん作業を止めて、イスに座って先輩が持ってきてくれたアイスを食べることにした。



「それより梨乃ちゃんさっきの話「あのー先輩ってぇー、好きな人とかいないんですかぁ?」



梨乃ちゃん……

なんか、うまく話をかわされた気がする。

でも、槇先輩の恋バナも少し気になるかも…



「あぁ、僕は女の人には興味ないんで」



サラッと槇先輩が言った。

え…それって……



「先輩、それってゲ「梨乃ちゃん!!」



わたしはハッキリ言おうとする梨乃ちゃんを、慌てて止めた。



「あぁ!言い方が悪かったですね
別に男が好きなわけじゃないので、安心してください。」



笑顔で言う先輩に、ホッとした。

本当にそうだったら、リアクションとりずらいよ…



「じゃあどういう意味ですか?」



そういうことをズバッと聞ける梨乃ちゃんを、少し尊敬する。

先輩は眉毛を下げながら困った顔で笑った。



「"生きている女性"に、興味がないんです。」


< 98 / 152 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop