花明かりの夜に
(それとも――
ひとりの人間として、見てくれるの――?)
心にそっと差し込むひとすじの光にしがみつく。
(若さま……お願い。遊びならやめて)
心のどこかで必死な声がそう言った。
きっとこれは、いつもと違う花を手折る遊び。
ちょっと変わった果実をもぎとって味わい尽くせば、次のたわわな果実に手を伸ばす。
「……やめて、いけません」
「本当にやめてほしいの?」
笑いまじりの余裕の声。
「やめ……」
ひとりの人間として、見てくれるの――?)
心にそっと差し込むひとすじの光にしがみつく。
(若さま……お願い。遊びならやめて)
心のどこかで必死な声がそう言った。
きっとこれは、いつもと違う花を手折る遊び。
ちょっと変わった果実をもぎとって味わい尽くせば、次のたわわな果実に手を伸ばす。
「……やめて、いけません」
「本当にやめてほしいの?」
笑いまじりの余裕の声。
「やめ……」