花明かりの夜に
じわり。

開発されきった体が勝手に反応する。

もう4年以上、男には指も触れていないのに。


「ああ……紫焔さま」


体が覚えている。

この快楽を。

男たちの顔すらほとんど覚えていないというのに。



あれほど嫌悪した男たちの手。指。

なのに今は――?



うなじに指をすべらせながら、耳元で囁かれる吐息混じりの声。


「どうしてほしいのか言ってごらん」

「いや……」
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