花明かりの夜に
弥之介はさらに顔を真っ赤にして、こぶしを振り上げた。


(殴られる)


思わず目をつぶって歯を食いしばった、そのとき。



シュッ

鋭く空気を切り裂く音がして。


ドスッ


「うわぁぁ」

「……!?」


息をのむ沙耶の目に映ったのは、弥之介の肩に生える一本の矢。

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