花明かりの夜に
「お似合いだ」


だんだん声は祝いの言葉に染まっていく。


「ありがとう……ございます」


人々に祝福されるのがこんなに嬉しいことだなんて。

しかも、見ず知らずの人たちに。


一人ひとり顔を見れば、初めて会うのにどこか懐かしい。


(みんな、つながってるんだ)


人々とつながる喜び。


(紫焔さまとお会いしてから、何もかもが変わっていく)


思わず、紫焔の着物をギュッとつかんだ。

それに応えるようにそっと肩を抱く手に、心までじんわりと温まるよう。


 * * * 

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