花明かりの夜に
あははは。

うららかな初夏の新緑のなかへ、3人の楽しげな笑い声が響いていく。


「――おふたりとも、よくお似合いですよ。ご婚礼のお着物が」


笑いがおさまると、桂はにっこりと微笑んで首をかしげた。

立派な、そして穏やかで明るい表情の二人を感慨深げに眺める。


「続きは今晩にでもゆっくりなさいませ」


桂は片目をつぶると、紫焔に竹刀を返した。


「さあ、今日はおめでたい日です。

みんな、お二人をお祝いしたくてムズムズしているんですよ。行きましょう」


ちょこまかと歩く桂を先頭に、紫焔が続く。

沙耶は、紫焔の後ろ姿を追いかけた。

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