花明かりの夜に
愛する人の後ろを歩ける幸せ。


紫焔が少し振り向いて、沙耶に笑いかけた。

秘密めいた、明るい微笑み。

沙耶もにっこりと微笑みかえす。


いつまでも、この背中の後ろを歩けますように。

いつまでも、この背中を見ていられれますように。



いつか、塵となるその日まで。






 ―― 花明かりの夜に 完 ――


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