花明かりの夜に
第一章 お屋敷
第一章 お屋敷
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「沙耶さぁん、これから若さまのお部屋へ?」
廊下の先から走ってきたのは先輩の女中、桂だった。
籐カゴに仕上がった洗濯ものをせっせと詰めながら、沙耶はかるく頭を下げた。
「はい、桂さん」
衣類の入った籐カゴを脇にかかえ、掃除道具一式を持ってさっと立ち上がる。
桂は眉をさげて、申し訳なさそうに言った。
「ごめんなさいねぇ、沙耶さん。
急にお仕事内容が変わってしまって。せっかく慣れたころだったでしょうに」
「いえ、そんな……」
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「沙耶さぁん、これから若さまのお部屋へ?」
廊下の先から走ってきたのは先輩の女中、桂だった。
籐カゴに仕上がった洗濯ものをせっせと詰めながら、沙耶はかるく頭を下げた。
「はい、桂さん」
衣類の入った籐カゴを脇にかかえ、掃除道具一式を持ってさっと立ち上がる。
桂は眉をさげて、申し訳なさそうに言った。
「ごめんなさいねぇ、沙耶さん。
急にお仕事内容が変わってしまって。せっかく慣れたころだったでしょうに」
「いえ、そんな……」