「好き」を乗せた紙ヒコーキ




ママと2人で外に出た時、ママは急に「裕司くん!」と叫んだ。


へ?裕司くん?


すると今度はさっきのお父さんの方が「真美ちゃん!」とママの名前を叫んだ。


ママはその人に駆け寄り、「久しぶり〜」と声をかけている。



…もしかして、2人は知り合い?



あたしがぽかんと口を開けて二人を見つめていると、あたしと同い年くらいの男子もぽかんとして2人を見つめていた。



すると、ママとその裕司くんって人はあたしとその子の表情に気づき、お互いを紹介してくれた。



「亜弥、この人はママの高校時代の同級生だった人。
水沢裕司くんよ。
もう一つ言えば、ママの初恋の人」



最後の言葉はコッソリと教えてくれた。


ママの初恋の人…



そう言いながら裕司さんを見つめるママの頬はほんのりピンクに色づいていた。



…もしかして、まだ好きなのかな…



恋ってどんな感じなんだろう。


昔好きだった人と再会するってどんな気持ちなんだろう。



嬉しいのかな?


悲しいのかな?


辛いのかな?



あたしにはまだわからない気持ちなんだろうな…












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