「好き」を乗せた紙ヒコーキ





「はじめまして。宇野亜弥です」



あたしが自己紹介をすると、裕司さんはにっこり笑って「よろしくね」と言った。


裕司さんって、なんか優しそう。


それともお父さんってこんな感じなのかな?



あたしにはお父さんがいないからわからない。



「それで、こっちは僕の息子の波留。4月から中学3年生になるんだ」


は…る…

キレイな名前だなぁ…



裕司さんが紹介してくれた男の子を見つめる。


じっくり見れば見る程、美少年。



波留…くんも、あたしをじっと見つめていた。



お互いに何も言葉を交わさずにじっと見つめ合う。



気まずくもなんともない。


まっすぐな髪の毛はサラサラしてそう。


風が吹くたびに髪が揺れて、前髪がやっぱり邪魔みたい。



なんか、学校の男子とは全然違うな。


学校の男子は髪の毛をガチガチに固めてモリモリにしてかっこつけてるけど、波留くんは自然な状態。


あとは野球部のボウズに、くるくるの天然パーマばかり。



幼馴染の登坂だって、短髪だしなぁ。










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