「好き」を乗せた紙ヒコーキ
それから波留と裕司さんは他の家にも挨拶に行き、あたしたちは家の中に入った。
ママはどこか嬉しそうで、ずっとニコニコしていた。
「それにしてもびっくりしたわぁ!高校時代の友達に会えるなんて!それに、波留くんと二人暮らしってことにも驚いたなぁ」
ママは夕飯の支度をしながらそう言った。
野菜を刻む音と混ざりながら。
キャベツを千切りにする音。
あとは…なんだろう?
「それにママの初恋の人だったんでしょ?」
「ええ。そうよ〜」
嬉しそうに返事をするママが不思議だった。
逆に辛くないのかな。
初恋の人とあうなんて、嫌じゃないんだろうか。
もし昔の気持ちが蘇ったら…って考えたりはしないのかな。
それにママは夫も彼氏もいないんだし、もし蘇ってしまったらどうするんだろう。
大人になっても、告白とかするものなのかな…