「好き」を乗せた紙ヒコーキ
その日の夜、二階にあがり、自分の部屋に入った。
あたしの家はママのお父さんが建ててくれた家なんだって。
ママが結婚して、実家暮らしも嫌だろうからって建ててくれた家。
でも、建てている最中にあたしのパパが出て行き、建てた意味がなくなった家。
あたしが幼稚園に上がる前までは実家であたしを育ててたみたいなんだけど、幼稚園は新しい家からの方が近いから、今住んでいる家に引っ越したんだって。
その後すぐに、おじいちゃんは病期で病院に入院してしまい、しばらくして亡くなった。
おばあちゃんはずいぶん前に亡くなってたみたいで、誰も住まなくなった実家は、古くて買い手も見つかりそうになく、解体されてしまったらしい。
ママの実家で暮らしてた記憶も、おじいちゃんの顔も全然覚えていない。
きっと素敵な家だったと思う。
思い出がいっぱい詰まっていて、ママのお父さんやお母さんの優しさでいっぱいの家。
ママ、解体するの悲しかっただろうな…