天然王子
「前は否定したけどさ…たぶん…あたしは佐竹が…いや、やっぱ認めたくない!///」
紗和はそう言って片手を前に突き出して赤い顔を隠すように下を向いた。
まぁ…佐竹なんか好きになっちゃったなんて認めたくない気持ちもわかるけどさ
「好きなんでしょ?」
私がそう聞くと紗和は下を向いたまま小さく頷いた。
「でも…さ、あっちには彼女いて…幸せの真っ只中でさ
あたしは好きな人の幸せ壊したくない。だから言わないし、この気持ち認めたら終わりだと思ってる…」
田熊はこの間、大好きな人を幸せにできないって言った
そして紗和は大好きな人の幸せ壊したくないって…
なら私は…きっと両方だ。
幸せはその人が決めることだなんて田熊にはえらそうなこと言ったけど…私は……