天然王子

　

「ｼｭﾝくんは?」

「え?」

「ｼｭﾝくんは悩みとかないの?」


いつも笑ってるｼｭﾝくんでも悩みはあるはず

だって悩み事がない人なんているわけないもん


「俺は…悩みがないことが悩み」


いつもみたいにそう言って笑う

でも、さっき一瞬だけ切なそうな顔した


「あー…ほら、好きな子とかの話とかあるでしょ?一つくらい」


ただ、純粋に気になった

ｼｭﾝくんにとって１番聞かれたくないことだなんて気付かずに






「…俺は、たぶん人に嫌われんのが１番怖い」


私にとってｼｭﾝくんはいつも善い人で…


「きっと一人の人を嫌うより一人の人を好きになる方がずっと難しい。なのにせっかく好きになった人に嫌われんのって、やっぱ辛いじゃん。だから俺は好きな子なんて最初から作んない」

「そんな…嫌われるかどうかなんてわかんないよ」

「わかるよ」