天然王子
 

「…わかるよ。結局、人は同じ間違いを繰り返すんだ」


そう言ったシュンくんは今までと同じ人とは思えないくらい寂しい顔をしてて…その顔を見たら何も言えなくなった。

でも…そんなの…嫌われるなんて最初から決めつけてるからじゃん

シュンくんの過去に何があったかなんて知らないけど、最初から諦めてたらうまくいくもんもいかないよ


「…とかいって♪」

「え?」

「今までの全部忘れて、どーせいつもの冗談だから」

そう言っていつものようにシュンくんはニカッと笑った


「はい、話終わり〜」

「シュンくん!」


私は、席を立って教室を出て行こうとするシュンくんを呼び止めた


「なに?」

「なんで笑うの…?」

「……………」


今の笑顔はいつもの太陽みたいなシュンくんじゃない


「…ずっと笑ってたら疲れちゃわない?シュンくんにはほんとに楽しい時だけ笑って欲しい」


人には、その時に合った表情があって

寂しい時は泣いて
嬉しい時に笑う
嫌な事があったら怒る

でもシュンくんはどんな時でも笑ってて…


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