天然王子
 

「え…俺どんだけ寝てるイメージ……」


いや自分が思ってるより結構、寝てますよ?


「だいぶ?」

「そうなんだ…ま、いーけど」


王子はボソッとそう言うと、歩き出した。

私もその横を歩く。


「…どこ行く?」

「あ、えっと…
おいしい物が食べたいよねー!」


私は鞄からパンフレットを取り出した。


「…じゃあ、食べ物巡り?」

「うん!京都っていったらやっぱ甘い物なイメージだよね〜」


前の日、あらかじめ折り目をつけていたページをひらく


「こことか行きたくないっ?」

「え、どこ?」


王子が頭を寄せて私が指差している部分を見る。

なんか顔が…近いっ……///


「まっ…抹茶アイス…?とかっ!!」


所々声が裏返りながらも言うと、王子の目がキラキラと輝きをおびた。


「行こう!」


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