天然王子
「なななななに!?」
今確かにバキッって…
もしかして何かふみつけた!?
私は自分の足の下にある物をそっと拾いあげた。
「め…メガネ…!!」
ケースにはおもっきしヒビ入ってるし、フレームも大変な事態になっていた。
もしかして…いや、もしかしなくてもこれは王子の…
私はなんてバカなことを!
「…んー………」
さっきまで寝ていた王子は、片手で目を擦りながらゆっくり上半身を起こした。
やばい!起きちゃったし!!
私は混乱してとっさに、なぜか床に落ちていたサングラスをかけた。
それと同時に王子が完璧に目を覚ました。
目を細くしてこっちを見ている…
「あ…あの…っ…」
「………………」
寝起きの王子は無言で起き上がると、なぜか私に会釈した。