天然王子
やばい…
修学旅行中だけで、まさかの2回目のピンチが訪れました。
「…昨日、なにかあったの?」
王子の問いかけに、ビクッと肩を揺らす。
「え…えっと……
本当、自由行動の時にたまたま会ったの!それだけ!!」
「…………ふーん」
王子はまだ、納得していない様子だった。
『好き』とか言われたなんて、とてもじゃないけど言えない。
「いっ、行こ!時間もったいないよ!!」
私は強く王子の手を引いた。
せっかく一緒にいるのに、楽しまなきゃもったいない。
それから、色んな所にいったけど王子はぼーっとしているだけで…
いや、常にぼーっとしてるんだけどね?
だけど…なんか……
いつものとは違う気がした。