天然王子
《最終章》
苦しさと切なさ
わからない…
なんだろう…なんで?
こんなに、モヤモヤした気持ちで修学旅行が終わるなんて。
王子は、確実に何かを勘違いしてる。
信じてもらえないことが、こんなに苦しいなんて…知らなかった。
そんなことを考えていると突然、後頭部に鈍い痛み
「おす」
何で叩かれたのかとか
誰がやったのかとか
そんなの今はどうでもよかった
「おはよ…」
「うっわテンション低っ!!」
そりゃ、低くもなりますよ。
「別に…私いつもこんなんですけど」
「いや、お前無駄に明るいのだけが取り柄だろ」
田熊が鞄を机の端にかけながら隣に座った。
「他にもあるしっ!」
「例えば?」
私は指を折りながら答えた。
「かわいいでしょー、美人でしょー、性格良いでしょー」
「あ、悪い聞こえない」
「だからーかわいくてー「2回言ってんじゃねーよ、バカ」