天然王子
 

「おいしい?」

「…うん」


私が聞くと、王子は小さく頷いた。

満足したなら、良し!

私は立ち上がってパンパンとスカートをはらった。


「じゃ、戻ろっか」


足の痺れも取れてきたし、お昼も食べたいし…

突然、まだ地面に座ったままの王子に腕を引っ張られた。


「ちょっ、どうし「…まだ、もう少し……」


今の私は地面に膝をついている状態で、王子を少し見下ろす感じ。

微妙に上目使いの王子の顔は、やっぱりカッコよくて…

男前は、どの角度から見ても男前なんだって思った。


「ハル…」


王子の顔がだんだん近づいてくる。

………はっ!

もしや今日こそ!?

今日こそ、念願の初チューがっ…!?


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