天然王子
 

ファーストキスはレモンの味
って言うけど…

王子とのキスは、なんていうか本当に…甘酸っぱいレモン味


「…本当に、甘いんだ」

「え?」

「あっ、なんでもないっ…!」


思っていたことを思わず口に出してしまって、慌てて訂正する。

王子は横に少し首を傾けた。


「……戻ろうか」


王子はさっきの私みたいにズボンを軽くはらって立ち上がった。


「まっ!」


私は慌てて王子の腕を掴んだ。


「もう少し…///」


自分でも、恥ずかしいことを言ってるってわかってる。

だってこれじゃ、さっきと逆だし…


「うん」


王子は眉毛を下げて笑うと、またその場に座り直した。

私もその横に座った。

フワッとお互いの手が触れて、そっと手を繋ぐ。


なんでだろう

長時間一緒に居ると、余計に離れたくなくなるのは

なんで

もっと一緒に居たいって思っちゃうのかな


隣を見ると王子と目が合って、もう一度キスをした。

今度はレモンの味なんかしなくて…
甘い甘い恋の味がした。


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