天然王子
 

「まぁ……」


先生は左手で頭をかきながらボソッと言った。


「うーわ新婚ですか」


幸せいっぱいじゃん。


「かんけーねぇだろ」

「まぁそーだね
ところでさぁ…」

「随分アッサリ引くなオイ」


だって、別に人のノロケ話なんて興味ないしね

そんなことより…

私は制服のポケットから、朝もらったラブレターを取り出した。


「どうしたらいいかな、コレ」

「なんだそれ?」


先生は私からそれを受けとると、蛍光灯にかざした。


「ラブレター…」

「イタズラじゃねーの」

「ちょっと!!」

「気になるなら羽矢に聞いてみれば?行ってもいいか」


え……

後ろを振り返ると、にっこりと笑顔をこちらに向けている…


「シュシュシュシュンくん!」

「うん"シュ"多くない?」


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