天然王子
私はガタッと椅子から立ち上がると、叫んだ。
「ちゃんと、私は羽矢だけのものだって断ってくるから!!!」
だから…
「だから安心して、待ってて!!!」
私は王子の手を離すと、急いで教室を飛び出した。
私の王子への愛の大きさはバカでかいんだからっ!
サラッと傷つけないように断って、サラッと帰ってこよう。
そして、帰りは王子と一緒に笑って手を繋いで帰るんだ。
確か…ラブレターに書いてあったのは
"放課後に体育倉庫裏"
今、私はその通りの場所にいるんだけど…
なんでだろう
目の前にいるのは一人の男の子…ではなくて、数人の女の人たち。
「王子と、付き合ってるんだって?」
中でも一番ケバイ女の人が私に聞く。
あれ?もしやこれ…人生初の、呼び出し…って、やつですか?