天然王子
まさかの暑さ対策
パタパタパタパタ
パタパタパタ…
さっきからずっとあおいでるせいか、片手がものすごく痛い。
私はもう片方の手も団扇にそえて、両手で王子をあおいだ。
「…………涼し…」
目の前にはウトウトしてる王子
一生懸命団扇であおいでいる私と明らかに温度差がありすぎる。
ってか…あんなこと言われたの初めてだよ…
『…俺の、扇風機になって』
なんか…王子ってもっとしっかりした人そうなイメージあったのに…
なにこれ、寝てばっかじゃん!
私はあおぐスピードをあげた。
「てゆーかなんで扇風機…?」
「…………ここ、クーラーないし……もうすぐ9月なのに…暑いし…だから……」
ちょっと…もう寝そうじゃん
私はあおぐスピードを少しゆるめて王子の顔を覗き込もうとした