天然王子
 

その瞬間王子の目がひらいた。


「…ちゃんとあおいでる?」


パタパタパタパタパタパタ


「はいっ!もちろん!!」


私が満面の笑みでそう言うと王子はまたゆっくりと目をとじた。

あのー…これいつまで続ければいいんでしょうか…


「ねぇ、もうすぐチャイム鳴っちゃうよ?」

「……だって眠いし…俺が寝たら先戻ってていーよ…」


なんじゃそりゃー!

授業<睡眠
ですか!!!

なんか私、今日1日で王子のイメージ大幅に変わった気がする。

だって無口だし、寝てばっかだし、わけわかんないしそんな男がモテると思ったら大間違い…


「………………」


気付くと王子はスースーと寝息をたてて寝ていた。

なんだ…寝たんじゃん…


「だからー…カッコよすぎ!」


いや、むしろカワイイ!
寝顔とか反則!

色んな一面を知っても、もちろん王子を嫌いになるわけなんてなく、変わらずカッコイイと思ってしまうんだ。


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