天然王子
 

「心臓破裂って!!
そっか、じゃあしょーがねーなっ」


そう言ってまたシュンくんはニカッと笑った。


「うん、じゃあそーゆーことだから!王子によろしく☆」


私は勢いよく鞄を肩にかけてグッと親指を立てた。


「ん、じゃーまた月曜日」

「バイバーイ」


シュンくんに軽く手を振って玄関で別れた。

明日から土曜日か…

休みの日は王子に会えなくなるから嫌い。

少しほっぺたをふくらませてそんな乙女っぽいことを考えながら校門で待っている紗和の元へ向かった


「なにその顔きもいんだけど」


予想通り紗和はいつもの毒舌でむかえてくれた。

その表情には心なしか待たされた怒りも含まれているみたいだった。


「ごめ〜んねっ☆」

「ウザい」


それからしばらく、私が何を喋っても紗和は無表情のままだった。


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