天然王子
「…だって…王子は憧れだし…///」
「あっそ」
私が一生懸命考えて絞りだした言葉は、田熊の一言で一瞬にして流された。
「まぁそーゆーのはアツに聞け、呼んどいてやったから」
そう言って田熊は立ち上がった。
アツっていうのは田熊が唯一?仲のいい友達。
「えーやだよ佐竹(サタケ)はなんか絡みにくいもん」
「まぁウザいけど悪いやつじゃねーよ」
田熊は横を通り過ぎながら私の頭をポンと叩いて言った。
「それに、もう来たし」
「え?」
入り口の所でこっちを見ながら満面の笑みで手を振っている男が約一名
できれば関わりたくないタイプ
「じゃ、バイト戻りまーす」
田熊は後ろを向きながら片手を上げて去っていった。
よりにもよってめんどくさいの呼ばないでよね…