天然王子
合コン当日、私たちはカラオケボックスにいた。
私の横には中学時代の友達が二人と、正面には佐竹とその友達と…王子
「ちょっ…なんで王…広瀬くんが!?」
私は慌てて小声で佐竹に聞いた。
「だって時田ちゃんの言ってたタイプまんまじゃん」
確かにそうだけど…
まさか王子が来るなんて…
「それにゆーやが…」
佐竹はそこまで言って慌てて自分の口をおさえた。
"ゆーや"って…田熊が?
私は目を細めて佐竹を睨みつけた。
「言うなって言われてんだけどね、広瀬連れてきたら時田ちゃんが喜ぶからって」
田熊…なんてことを…
もし二人が王子に惚れちゃったらどうしてくれんのさ!
案の定、友達二人の目はすでにハートマークになっていた。
王子はというとなにやら真剣にメニューを見ていた。