天然王子
「少なくとも私にはモテてるよ?」
とっさにそんなことを口にしてしまった。
慌てて私は自分の口を両手でふさいだ。
これじゃあ私が王子に憧れを抱いてるってバレちゃう!!
「…………ふぅん?」
意味がわかっていないのか王子は曖昧な返事をした。
「俺さ…おいしいもん食わせてやるって言われて来たんだ、彰に。」
つまり…騙されて連れてこられたんだ、王子。
かわいそうに…
「そんなにカルボナーラ食べたかったの?」
私がそう聞くと王子は小さく頷いた。
「……なんか…麺類が食べたい気分だったから」
なんか今日は王子のことをよく知れた…気がする
そんなことを考えてたら、またすっかりドラマのことを忘れていた。
「あ、やばっ!!
じゃあまた学校でね」
そう言って王子に手を振った。