天然王子
そのあと先生にじゃあ、と言われて職員室を出された。
『人が青春してる光景なんてみたくねぇからな』
なんて言ってたけど…
そういえばこの後、どうすればいいんだろう
私は横目で王子を見た。
「ん」
私の視線に気付いたのか、王子は私にケータイをつき出してきた。
「あ、え?」
「受信するから送って」
「あ、はいっ!」
私は慌てて制服の胸ポケットからケータイを出した。
「…じゃ、メールするから」
王子はパタンと片手でケータイをたたむと、自分のクラスに戻って行った…
うそ…
メールするからだって!
「やったぁー!!!」
私は職員室の前で小さくガッツポーズをした。