天然王子
 

「広、瀬…くん!」


じゃあこのアドレスは王子のだ…


「やっぱり…ハルって春香のこと?」


王子が私に向かって聞いてきた。


「あ、うん
みんな長いからって…」

「……じゃあハルにする」


王子は二本の指を前に出して「2文字少ないし」と続けた。

なんだかちょっと残念だけど…慣れなかったから逆に良かったかも


「てか今日は屋上なの?」


私は王子の少し横に体育座りをした。

王子は小さく頷いて空を見た。


「……屋上の方が涼しいことに気付いた。」

「ははっ!今さら!!」


私はまた余計なことを口にしてしまった…

軽く自分の左頬を叩いた


「……確かに…もっと早く気付いてればよかった…」

「まぁ…いい場所見っけてよかったよね☆」

「………ん」


王子は軽く頷くとあくびをした。

もしかして眠いのかな


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