天然王子
もう肌寒い風が吹いてもいい季節なのに、日射しがほどよくあったかくて眠気を誘う。
「もう9月なのに…」
「……地球温暖化は思ったよりも深刻だ」
「そうだねぇー…」
「……………」
そのあとしばらく沈黙が続いて、私たちはウトウトしていた。
「授業始まったら起こしてあげるから寝てもいーよ?」
すでに半分寝ている王子は、目をとじたまま小さく頷いた。
その瞬間聞こえてくる寝息に、さすがだと思った。
しばらくすると肩にズッシリと重たいものがよしかかった。
「え…」
横目で確認すると…
もしかして、もしかしなくても王子の頭。
「やばい…近い……///」
王子の体の一部が触れてる…!?
考えただけで心臓がもたない!!!
私は自分の両手をグッと強く握って膝に置いて、姿勢を正した。
その後はただ黙って前を見ていた。