天然王子
私は急いでお腹をおさえて苦笑いをした。
「…………あ」
王子は空っぽのお弁当箱と私を交互に見た。
「…ごめん」
「いや、大丈夫気にしないで!」
その時ガチャッと屋上のドアが開いて、紗和の声がした。
「ハルー?」
「あ!紗和だ!じゃーまたねっ」
私は王子に軽く手を振って急いで紗和の所へ行った。
「なにしてたの?」
「ちょっとね♪」
空っぽのお弁当箱と水筒を持って私たちは屋上を後にした。