天然王子
1週間後の放課後、私はヤマをはって屋上に来た。
予想通り、目当ての人はちゃんとそこに居た。
「はい!」
「………なにこれ?」
王子は長方形に包んである紙包みを手にとって眺めた。
「メガネ、壊しちゃったし…」
「……いいって言ったのに…」
メガネケースを包んでいる包装紙を丁寧にはがしながら王子が言った。
「……なんか俺、もらってばっかだし…弁当とか…」
「いや、私が勝手にしてることだし、気にしないで」
「…じゃー有り難くもらっとく」
そう言って王子はメガネをかけた。
「似合う?」
「……………」
何も答えない私を見て王子は首を傾げた。
やばい…やばいよ…
「胸キュン///」
「え?」
「あ、つまり似合ってるってことっ!です!」
こう…普段メガネかけてない人がたまにかけると…
やばいカッコイイ
王子だからっていうのもあるんだろうけど…
やばいカッコイイ
そのまましばらく私は王子に見とれていた。