天然王子
放課後、私は素直に委員会に出ていた。
購買で買った紙パックのココアを飲みながら、委員長の長ーい説明を聞いていた。
「えーと…行事等の時は基本、隣のクラスと一緒に仕事してもらうんで…」
あー…てことはあたしはA組だから、相手はB組か…
「…つかB組の委員ってだれよ?」
私はいつまでも人の座る気配のない隣の席に目をやった。
B組だったら…
美紅とかちーちゃんとか知ってる子だったらいいなぁ
あ…そう言えばB組って…
王子もじゃん!!
私はほんの少しの淡い期待を抱きながらB組の委員が来るのを待った。
―ガラッ
「あ、2年B組です…」
来たぁ!!!
私は勢いよくドアの方を見た。
「うん、やっぱそうだよね」
来たのは普通に知らない男子。
そりゃ世の中そんなうまくいくわけないもんね。
春香の淡い期待は早くも崩れ去ったのだった…とかいって。