天然王子
 

「……そーだ」


王子はスッと立ち上がると自分のポケットに手を入れた。

そして何かを取り出すとそれを握って私の前につき出した。


「ん、手だして」


私は慌てて両手を目の前に出した。


「お礼…こんなので悪いけど…」


手のひらに落ちてきたものは…


「塩飴?」

「…以外とおいしーよ」


え、渋っ!!!

もっと苺味の飴とか色んな種類あったでしょうに…

そん中から塩飴って!


「……じゃー俺、先生に呼ばれてるから。
コレ、ありがとー」


王子はメガネをトントンと叩くと背中を向けて屋上を出て行った。

包みをあけて、飴を取り出す

口にふくんで数秒転がす


「あ…おいしー」


以外な発見をした。

この包みは一生とっておこう

そっとポケットに塩飴の包みを入れた


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