天然王子
しばらく屋上で飴を舐めながら外を眺めていると、静かに屋上のドアが開いた。
「あれ?時田さんじゃん」
「あーシュンくん」
フェンスから手を離して後ろを向くと、シュンくんがいた。
「何してんのー?」
「広瀬くんにメガネを渡して、お礼にもらった塩飴を舐めているところです」
「塩飴?うけんなそれ」
そう言ってシュンくんは隣に来るとニコッと笑った。
いっつもシュンくんはよく笑うなぁー
王子なんか私の前で1度も笑ったことないのに…
でも笑ったとこなんか想像できないけど。
「あ、そーだメアド教えてくんない?」
「うん、いーよっ☆」
シュンくんに言われてケータイを手に持つ。
あれ…今のって超自然…
「そっかぁー!!!」
私はアドレスを交換し終えると自分の額に手をついた
「え?」
「そうやって聞けばよかったんだぁー」
シュンくんは訳がわからなそうにしている
これが自然なアドレスの聞き方かぁ!
あの時私もこうすればよかったんだ…なんて思った。